#0226 令和8年度税制改正で変わるインボイス制度の経過措置 ― 小規模事業者の段階的移行と対応ポイント
2026/02/17
令和7年12月26日に閣議決定された「令和8年度税制改正の大綱」において、インボイス制度に関する経過措置についても見直しの方向性が示されました。今回の改正では、小規模事業者の負担を軽減しながら、段階的に通常のインボイス制度へ移行させる仕組みが検討されています。
従来、インボイス制度を契機に免税事業者から課税事業者となった、いわゆる小規模事業者には、売上にかかる消費税の2割のみを納税すればよい「2割特例」が設けられていました。
この特例は当初、令和8年9月30日までの課税期間に適用される予定でしたが、令和8年度税制改正大綱では、適用期間の延長と内容の見直しが盛り込まれています。
改正案では、小規模事業者のうち個人事業者について、特例適用による納税割合が従来の2割から3割へ引き上げられ、適用期間が令和9年および令和10年分の2年間に限り延長されます。
なお、法人についてはこの適用がないので、税負担を軽減するためには、簡易課税制度を選択するか、本則課税を適用するかを検討しておく必要があります。
また、免税事業者からの仕入れについても、インボイスが発行されない場合に仕入税額控除の割合を段階的に少なくする経過措置が設けられています。
この経過措置についても期間を延長し、控除率を段階的に縮小するスケジュールが提示されました。
具体的な控除率は以下の通りです。
【適用期間と控除可能割合】
• 令和8年9月30日まで:80%
• 令和8年10月1日~令和10年9月30日:70%(インボイス制度開始当初の50%から引き上げ)
• 令和10年10月1日~令和12年9月30日:50%(新設、当初0%から引き上げ)
• 令和12年10月1日~令和13年9月30日:30%(新設、当初0%から引き上げ)
• 令和13年10月1日以降:0%
これらの改正内容については法令制定後、施行されることになります。
この改正により、小規模事業者は急激な負担増を避けながらも、段階的にインボイス制度へ適応していくことが求められます。
経過措置や特例の対象・適用期間をしっかり把握し、帳簿や請求書の管理を適切に行うことが、今後の経営における消費税負担の予測や計画に直結します。
特に取引先の管理や価格設定の見直しなども想定されるため、早めの対応を検討することが重要です。
(参考)
財務省「令和8年度税制改正の大綱」 92~94頁
財務省「令和8年度税制改正の大綱の概要」3頁
税理士法人 さくら総合会計 監査部 丸井 麻友香