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コラムレター

#0155  リスクと向き合うということは
2016/03/29
 みなさん、リスクと聞いて何を思い浮かべますか?
 2001年9月11日のアメリカ同時多発テロ以降、リスクに対する危機管理の意識が急激に高まり、2011年3月11日の東日本大震災では自然災害のリスクが大きく取り上げられました。
 「リスク」の定義にはいろいろありますが、一般的には 「ある行動に伴って(あるいは行動しないことによって)危険に遭う可能性や損をする可能性を意味する」 と理解されています。簡単に言うと、「不測の事態、危険、事件、事故」です。たとえば、病気、けが、自動車事故、火災、がわかりやすい例です。ではそのリスクに対してどのように対処すればよいのでしょうか。
 リスクを回避するという意味の「リスクファイナンス」には大別して「リスクの保有」と「リスクの転移」があります。

 「リスクの保有」とは損失を自分で負担することです。例えれば、自動車事故で相手の自動車を全損にしてしまっても、自己資金で弁償すること。火災であれば自宅が全焼してもまた自己資金で建て直すこと。病気であればがんの治療費を自己負担で賄うことです。自己資金がふんだんにあれば可能です。
 「リスクの転移」とは不測の事態が起こったとき、損失を誰かに負担してもらうことです。何かと言えば、これが「保険」です。
 誰もが何かしらの保険には加入していると思いますが、保険に加入したからリスクが消えたわけではありませんのでご注意下さい。保険とは、起きてしまったことを金銭に置き換えて補填するだけなのです。「保険に加入したからこれで安心」ではありません。

 一番大切なことは、この「不測の事態が起こる確率を1%でも減らすこと」です。つまり、リスクを少しでも減らすことなのです。自動車事故であれば運転中は携帯電話をいじらない、火災であればオール電化にして火元を無くす、病気にならないように日ごろから体を鍛える、などです。それでも起きてしまったら、最後に保険です。

 保険加入の考え方の基本としては抱えるリスクを洗い出し「誰が使うお金?」、「それはいくら必要?」そして次にそのリスクは「いつまで掛ければ?」ときて最後に「その保険はいくらするの?」です。 安心のために加入しているはずの保険が家計を圧迫して不安を引き起こすことのないよう一度分析してみてください。


株式会社 パワーコンサル 伴野義仁