コラムレター

2009/5/7 #0075 「生命保険の加入と税務について」

  殆どの法人では何かしらの生命保険に加入されているかと思います。
  ただし、保険種類、払い方、契約者と被保険者との関係、受取人、などによっては良くも悪くも、どうにでもなってしまう厄介な代物です。

  以下に一つの事例をご紹介します。
  実際にH14年に国税不服審判所が下した裁決です

  「A社は節税のために生命保険に加入しましたが税務署から租税回避として否認され、A社と税務署が争いました。」

(前提条件)
1、 会社の利益の半分以上を生命保険で圧縮している。
2、 保険料が被保険者の給与より高額。
3、 従業員を被保険者とした生命保険を退職した翌期に解約している。

(A社の主張)
1、 保険料は経費になる種類の保険(定期保険)である。
2、 財務状況から見ても高額であっても問題は無い。
3、 解約時に課税されるのだから加入状況だけで判断するのは不合理。

(税務署の主張)
1、 多額の税金が減少しているので租税回避である。
2、 保険料が被保険者の給与より高額なのは不合理。
3、 従業員が退職した翌年に解約しているから福利厚生には当たらず。

そして、国税不服審判所は以下のように判断しました。
1、 保険料の処理は通達に基づいており、適切である。
2、 生命保険加入によって税金が減ったとしても租税回避ではない。
3、 解約返戻率を考え、退職の翌期に解約したことも合理的である。

  ということで、A社の意向が認められました。
  すべてがこの事例のようにはいかないにしても、生命保険で節税をする妥当性、経済的合理性は認められたことになります
  加入内容により税務取扱が異なります。

  しかし、保険はあくまでも保険です。節税は、その副産物に過ぎません。
  使い方(勧められ方)を間違えると、とんでもないことになります。保険に加入する時は、月々いくら払えるからこの保険。ではなく、今から何年間は被保険者に万が一のことがあるとこれだけの金額が困るからこの保険にする。というように「保険の出口」からお考えください。決して、保険は勧められたから加入するものではないのです。
  そして、加入後はあくまでも自己管理の世界ということをお忘れなく。

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