コラムレター

2007/9/28 #0023 皆様に質問です。「リスクマネジメント」をご存知でしょうか?

いきなり質問です。
   「あなたはガンに対する備えを何かしていますか?」
 さて皆様は何と答えますか?
 答えとして約半数の人が 「ガン保険に入っている」 と答えます。

ではもう一つ質問します。
   「あなたは自動車事故をおこさないために何かしていますか?」
 さて、これはどうでしょう?
 多くの人は 「安全運転をしている」 と答えます。

保険に加入したり安全運転をすることも大切ですが、もっと先にすることがありませんか?

 病気に対する備えとして一番大切なのは、 「病気やガンにならない体を作ること」 です。
 その努力をしても尚、不幸にして病気やガンになってしまったとき、初めて保険が発動する訳で、保険を使わない努力をすることが一番大切なのです。
 ガン保険に加入してもガンになります。

先日、ガン保険の契約をいただいた時のことです。
 そのお客様がこう言いました。
   「これでガンになっても安心だね。」と。
 安心なのはガンになったときの金銭的な部分だけであり、ガンになっても笑っていられるわけではありません。
 一度ガンに罹った人の不安はやはりガンです。再発、転移なのです。
 その不安を打ち消すために健康食品を買ったり、元気なうちに家族旅行に出かけたりでお金がかかるのです。
 治療費自体は、高額療養費制度がある限り(いつまであるかはわかりませんが)そんなにかからないと思います。(ただし罹ったガンの種類によりますが)

もう一つ。
   「自動車事故が心配だから自動車保険に加入したい。」
 というお客様。
 その方の自動車を拝見したのですが、ルームミラーからはお守りが5,6個ぶら下がり、フロアは土足厳禁、運転席と助手席には黒目のウインドーフィルムが貼ってありました。
 これこそ保険に加入する前にすることがありませんか? ということです。
 元に戻さなければ保険はお受けできないこととその理由をたっぷりと説明してお別れしましたがその方から一週間後、元に戻したと連絡があり、保険には加入していただきました。

ここからリスクマネジメントについてです。

 わが国では、あまりリスクマネジメントについて意識されてきませんでしたが、アメリカではすでに1950年代から近代的なリスクマネジメントが導入されています。
 当初、リスクマネジメントは保険の手配を中心にして始まり、個人や企業のかかえるリスクを 「どのような保険によって」 「どのくらいまで」 カバーするかを検討し、 「いかに最小の保険料でリスクを処理するか」 という、いわば保険管理の手法といってもいいものでした。

 しかし近年では、製造物責任をはじめとした損害賠償事件の多発や個人情報の漏洩事件など、保険では対処しきれない、しかも一度おこると企業そのものの存続に係わる事故が多く見受けられるようになってきました。

 こうしたことからも先に述べたように個人であれば病気やガンにならない健康管理や自助努力、企業であれば事故をおこさないようにする作業改善、職場環境の改善、道具の改良などのリスク管理が広まってきました。
 極端な話ですが病気、事故がおこらなければ保険はいらないわけです。
 また、病気、事故がおこってもそのリスクを保有してしまう。という考えも出てきました。

 例えばわかりやすくガンで例えると、ガン細胞を治療によって消し去るのではなく、ガン細胞をこれ以上広がらないようだけ治療をして、一生ガン細胞と共に生きるという治療方法も生まれてきました。
 ただし、企業にとってのリスク保有とは発生した損失を自己資金や借入金でてん補する方法をいい、予測不能で少額な損害までしか有効ではありません。
 しかも企業にとっての一番の損失は「信用」を失うことですからなおさらです。

結論。 うまくリスクと付き合うためには・・・・
 一番良いのは不測の事態をおこさないこと。 です、が・・・病気や事故は無くなりません。注意をしていても一瞬でおこったり、長年の蓄積によることも多いからです。
 なかには数千万分の1でおこる事故もあります。

 対処するにはリスクという「敵」を良く知ることから始めましょう。その人や企業の持っているリスクを全て洗い出し(リスク分析)、それぞれのリスクをどのように処理するか(リスクコントロール)を決めておくことです。
 その処理方法として、基本的には「回避、防止、軽減」、少額のリスクであれば「保有」、高額であれば「保険」、というように分類していきましょう。
 あくまでも保険は最後の手段なのです。

道央マネジメントグループ (リスクマネジメント部)
株式会社 パワーコンサル
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